ぶち犬たちとの今までの旅行はセター絡みの旅ばかりで、各地のセターの友人との親睦を深めるものだった。
だから、アテルイとモレのそれぞれの特性はセターにはありがちな行動として、それぞれお互いに理解しあえるものだった。
記念撮影は絶対同じ方向を向かない、フィールドではそれぞれがそれぞれの自己満足を追求して走り続ける、、あまり一緒に遊ぶということがない、などなど。
わかってもらっている安心感や共感があったので、多少の奇行は許してもらえた。
今回の旅行では、同行の女の子たちはレトリバー。それも訓練犬だ。「自然の中で放したら大丈夫?」って風に特にアテルイは心配されていたのではないかと思う。
その心配をいい意味で裏切ってくれたアテルイだったが、反対にモレの行動が「なんじゃコイツ」と思われる対象になってしまったかもしれない。
朝は4時から鼻を鳴らして、起きろの催促。川では、楽しく水遊びの他の3頭と離れ、草むらの中をゴソゴソと動き回る。山中ならイノシシと間違えられて撃たれかねない。
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真ん中の白黒のちょぼがモレ。ほとんどは顔を出さずにつる草に絡まって出られなくなったのかと心配になるくらいゴソゴソと動き回っていた。
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たまには川に入ってみてもこんな感じ。川の水もかなり飲んだようだった。どうして、みんなで一緒に遊べない?
そのくせ超あかんたれで、見慣れぬものがあると怖さで確かめに行くが、ひぇ~っと走って帰ってくる。
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このビビりが4日目に災難を招いた。
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大山のフィールでは獣避けの空砲が一定間隔で「バーン」と轟く。
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もともと花火が大の苦手のモレは、その音に「えっ、ナニ。今の音ナニ?」と警戒していたが、けっこう頻繁に鳴るので、行動がおかしくなってきた。
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とにかくどうしていいかわからない。ここから逃げ出したいと部屋をめがけて一目散。入れないとわかると草むらに入り込もうとする。何がいるかわからないような場所なので、私が呼び戻すとまたピューッと戻ってくる。
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それを何度か繰り返した時、モレのパニック状態は頂点に達していたのだろう。草むらで何かを踏みつけたのかキャーと叫んでお尻あたりをカミカミ。そうしていると今度は右前脚を痙攣させて痛い痛いの格好になった。
出発間近だったので、とにかく車のバリケンに入れて落ち着かせる。
泣きながらもご飯は私の手から食べて、蒜山についたころには落ち着いてはいたが、モレの犬生最大の恐怖を味わったようだった。
結局、足裏にもどこにも傷も腫れもなかったので、恐怖の頂点でちょっとした刺激に銃で撃たれたかのような衝撃を受けたのだろう。
家にたどり着いて夜のご飯は食べたけれど、夜中に全部吐いた。その後も落ち着きなくウロウロして、何度か吐き一切食事を受け付けない。
吐いたり下痢したりはうちに来てから一度あったかないかの丈夫な子だったので、変なものでも食べてはいないか心配になった。肩で息をして目もうつろ。あげくク~ンと泣き始めたものだからもっと心配になって夕方急いで病院へと車を走らせた。
お腹を触って捻転の類でないことがわかり、状況を説明すると「神経性胃炎」と言われた。
あまりの恐怖で胃に穴が開きそうになったのだろう。
まだ、食欲は戻っていないけれど、オクラと青のりと大根おろしの特製鳥ミンチスープを作ってあげた。
アテルイの成長とモレの「あかんたれ」度UPが確認できることにもなった今回の旅行だった。