10月1日にアテルイが、4日にモレが天国に旅立ちました。
感染症でした。人工の澱んだ川の水からの感染だと思われますが、確証はありません。
2ヶ月半たってもこころの隙間は埋まりません。
いまだに写真を見ることができないので、ブログでの報告が遅くなってしまいました。
アテルイだけの頃、「アテルイの疾走」というブログを始めました。あの子が走っている姿が大好きでそのタイトルにしました。
とてもプライベートな日記的なブログで、始めてすぐに私の脳腫瘍が見つかり手術をしたので日記にはその頃の不安な気持ちや弱音を思いっきり吐き出していました。
「私は弱くなんかない!もっと目が回るくらい犬との生活を楽しんでやるぞ~」と勢いでモレを迎えて、「セター使い」として始めたのがこのブログでした。
人生半世紀、いろいろなことがあります。
後半にさしかかると生み出すものより失くすことの方が増えてきます。
震災で実家や故郷を失い、最愛の母を亡くし、そして、離婚・・・。どんな時も乗り越えてこられたのは一人ではなかったからです。友人や周りの人に助けられてやってこれました。
そして、必ずそばに犬がいてくれました。悲しくてウンパキの背中に顔を押しつけて泣いた時の匂いを今も覚えています。
アテルイは前足を両肩にまわして涙をなめてくれました。
モレはペタっと大きな顔を膝に寄せてきてくれました。
でも、今はそんな犬たちがいません。泣くととどまることを知らぬ暗闇に落ちていくような気持ちになってしまうので、怖くて泣けなくなってしまいました。
泣けないということは笑えなくもなるのだと初めて知りました。
そんな中で、私の誕生日11月15日に同じ誕生日の犬友さんからメールをもらいました。アテルイと同い年のよく似たセターを飼っているということで知り合いになり、コメントをいただいたりしていたのですが、まだお会いしたことはありませんでした。
その方からアテルイとモレの事を聞き「胸に重いかたまりができたようになって・・・」とメールをいただきました。
まだお会いしたこともない方々でさえ、共感し涙を流してくれていると思った時、私を心配しあの子たちの死を悼み悲しんでくれた多くの方たちの気持ちがあらためて心に沁み込んできました。
あの子たちの存在はあまりに大きすぎて穴を埋めることはできずにいますが、優しい気持ちが沁み込んできて心のヒビに浸透していくように思われたのです。
その時から、すこし気持ちに変化が出てきました。
「ナニワ犬遊道」というタイトルは「ナニワ犬友道」でもありました。
アテルイとモレは私にたくさんの大切な友達を呼び寄せてくれました。皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、あの子たちを愛してくれて本当にありがとうございました。
なにはともあれ、犬との賑やかな暮らしぶりをつまびらかにお伝えしてまいりました「ナニワ犬友道」 ですが、これにて一巻のおしまいといたします。